Web制作会社を経営していて、「頑張っているのに利益が残らない」「月末の収支報告まで経営状況が分からない」と感じたことはありませんか?
とくに、少数精鋭でプロジェクト型の案件を多く抱える会社ほど、案件ごとの収支が見えづらい構造に陥りやすくなります。売上は右肩上がりなのに、手元にお金が残らない。その理由は、収支の見える化=「どの案件で、いくら儲かったのか」が分かる仕組みが構築できていないことにあるのです。
本記事では、Web制作会社における「収支の見える化」の必要性と、それを阻む構造的な課題、そしてツールや運用による解決策、実際に成果を出した事例までを詳しく紹介します。
経営者として、数字を武器にした経営を実現するための第一歩として、ぜひご一読ください。
【売上が増えても、なぜ利益が増えないのか?
「前年より売上が伸びているのに、利益はほぼ横ばい…」
「社員は忙しく働いているのに、なぜ黒字にならないのか?」
Web制作会社を経営していると、このような“見えない赤字”に直面することがあります。実はその背景にあるのが、収支の“見える化”ができていないという問題です。
とりわけ、プロジェクト型の受託ビジネスでは「案件ごとの損益」が会社の命運を分ける要素。売上だけではなく、「誰がどれだけ時間を使い」「どれだけの外注費が発生し」「いくらの利益が残ったか」を、案件単位で可視化することが重要です。
なぜWeb制作会社は「収支の見える化」が難しいのか?
ケース1:案件単位での採算が把握できていない
たとえばLP制作の案件で「50万円の売上」があっても、その裏で発生しているディレクター・デザイナー・エンジニアの工数や、外注費・素材購入費などの原価が正確に記録されていないと、実際の利益が見えないままになります。
経営者の目には“売上”しか見えず、「稼働のわりに会社にお金が残らない」状態が慢性化してしまいます。
ケース2:Excelやスプレッドシートでの属人管理
多くの制作会社では、見積管理・外注費記録・請求書管理・工数記録などがバラバラのExcelで管理されており、集計に数日〜1週間かかることも。
情報の所在が部署や人に依存していることで、正確な収支の集計がリアルタイムでできないため、赤字案件への対応が後手になります。
ケース3:工数記録が曖昧で人件費が算出できない
特に工数(時間)の見える化は経営において極めて重要ですが、現場の協力を得にくい部分でもあります。
「忙しくて入力できない」「自己申告が曖昧」という状態では、1案件にかけた人的リソースの費用が不明瞭になり、正確な利益率が算出できません。
ケース4:外注費や経費の紐づけができていない
たとえば「制作A案件に使ったライター外注費」や「制作B案件での写真素材購入費」が、総勘定で処理されてしまっているケース。これではプロジェクトごとの収益性を比較・分析することができません。
プロジェクトごとに「原価+利益」を可視化する仕組みを
Web制作会社にとって重要なのは、「案件単位」での予実管理を実現し、“利益構造”をリアルタイムに把握することです。
ここでは、具体的な解決策を4つの視点から解説します。
1. 工数×人件費の仕組み化
なぜ工数がカギなのか?
人件費の多くを占めるのは、ディレクション・デザイン・コーディングといった内部工数です。これを把握しなければ、実際にいくら“働いた分”の費用が発生しているかが見えません。
どうやって可視化するか?
- プロジェクトごとにタスクを設定し、作業時間を入力
- 各職種に応じた時給単価を自動反映
- 工数集計により「案件にかかった人件費総額」を算出
こうした運用は、ツール導入によって習慣化できます。プロカンでは、工数入力・単価設定・案件別の自動集計が可能です。

2. 外注費・仕入費の紐づけ管理
プロジェクト収支を可視化するには、外注費・素材費などの変動費も一元化する必要があります。
よくある問題
- 外注費を部門会計で処理している
- 素材購入を個人のカードや立替で処理している
解決策
- 案件ごとにすべての支払申請・請求書を紐づける
- プロカンの「原価項目設定」機能で、発生した費用をプロジェクトごとに記録
- 経理が月末に自動で集計・確認できる体制を構築
3. 予実管理で「どこでコストがずれたか」を特定
案件終了後に利益を確認するだけでなく、制作の途中でコスト乖離を察知できる体制が理想です。
実現方法
- 案件スタート時に見積ベースの予算を登録
- 工数・外注費・素材費の進捗をリアルタイムで可視化
- コストが想定を上回るタイミングでアラートを出す
これにより、制作途中でも赤字兆候に気づき、工数圧縮や仕様調整などの打ち手を講じられるようになります。
4. 経営判断に使えるダッシュボード設計
社内の誰が見ても「どの案件が黒字か/赤字か」が一目で分かる可視化は、組織の健全な成長に欠かせません。
KPIの例
- 案件ごとの営業利益率
- 社員1人あたりの粗利貢献度
- 顧客別の累積収益性ランキング
- 案件タイプ別の平均利益率
これらの指標を、プロカンではダッシュボード上でグラフとして自動表示できるため、毎月の経営会議にも活用されています。
プロカンで「収支の見える化」に成功した企業の導入ストーリー
背景:
企業のコーポレートサイト・EC構築・CMS開発を中心に受託制作を行っている20名規模のWeb制作会社は、売上は安定していたものの、「どの案件が利益を出しているのか分からない」という悩みが長年続いていました。
課題:
- 案件別の工数は自己申告でバラバラ
- 外注費が会計データでしか確認できない
- 見積と実績の差分がブラックボックス
- 赤字案件の発見が納品後になり、再発防止が困難
導入施策:
- プロカン導入により、見積から納品、請求・支払までを一元管理
- タスク単位の工数記録により、各人件費を自動配賦
- 案件開始時点で予算を設定し、リアルタイムに実績比較
- 月次で黒字/赤字案件をレビューし、次回見積や体制に反映
結果:
- プロジェクト別に販管費を自動配賦し、利益率が大きく改善
- 月次の損益計算が3日から当日中に完了
- 不採算案件の傾向を早期に発見し、営業・制作体制を最適化
経営者が「見える化」することで、会社の未来が変わる
Web制作会社にとって、“良い制作物”をつくることは当然ながら、“利益の出る制作体制”を構築することこそが経営者の仕事です。
収支の見える化を後回しにすると、
- 営業戦略に根拠が持てない
- 現場の疲弊が続く
- 儲からない体質が慢性化する
といったリスクを抱え続けることになります。
案件ごとの収支を明らかにし、現場と経営をつなぐ“数字”を育てる。
その第一歩として、ERPの活用と管理会計の導入が不可欠です。
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