左:経理部 新藤さん 右:取締役 松村さん ※プラスワン教育社にて撮影
「すべては子どもたちの未来のために」という理念のもとに、複数の子会社を含めたリソー教育グループとして事業を展開している『株式会社リソー教育』(以下、『リソー教育』)。そのうちの1社、『株式会社プラスワン教育』(以下、『プラスワン教育』)は、体操スクールやサッカースクールの運営から、体験型教育プログラムの開催、教育旅行事業まで手掛けて、子どもたちの人格形成・情操教育をサポートしています。
幅広い事業を手掛けていることから、毎月発行、受領する請求書の数は膨大。
しかも、プロジェクトごとに企画を立てて申請を出し、承認されるところからの流れも含めると経理側の処理は大変です。
そこで、『リソー教育』管理企画局経理部・新藤理恵さん直々に、自社に「プロカン」の導入を提案。導入によって業務の流れがどのように変化したのか、『プラスワン教育』取締役の松村圭さんともども、インタビューにお答えいただきました。
- 企業名:
- 株式会社リソー教育/株式会社プラスワン教育
- 事業内容:
- スクール運営・教育旅行事業・体験型教育プログラムの開催など子どもたちの教育事業
- 利用プラン:
- スタンダード
導入前の課題
・収支管理をすべて紙ベースでおこなっていたため、大量の紙を必要としていた
・管理側に月次報告があがってくるまで、現場の案件の進捗をタイムリーに把握できなかった
・月末に経理の業務が集中していた
・現場の社員は、担当以外の案件について費用などを知ることがなかった
導入後の効果
・必要なデータをシステム上で確認できるようになったため、紙が不要になった
・案件が申請された時点で経理側も一つひとつの案件の進捗を把握できるようになった
・月末に集中していた経理の業務を前倒しで進められるようになった
・システム導入によってフローが整備されたことで、社員一人ひとりが計画性を持って案件を進めるようになった
紙ベースの収支管理だと、現場側と管理側の物理的距離によってタイムラグが生じていた
——「プロカン」導入前の経理における課題を教えてください。
新藤:「プロカン」導入前は会計業務に関してすべて紙ベースで動いていたので、とにかく管理が大変でした。ツアーやスクールなどにかかる原価も紙の請求書で受領していましたし、通常の支払いサイトから外れたイレギュラーな支払い依頼を現場が管理部門に提出する場合の手続きも全部紙。
現場がExcelで支払いの依頼書を作成し、支払いをする原価の紙の請求書と併せて、まず『プラスワン教育』の上長に決裁してもらい、それを一日数便あるグループ全社を回る社内文書の送付車(社内便)にのせて経理部に提出して経理部は月次処理をおこない、財務部に支払い依頼を回付する、という流れでしたので、現場と管理部門が物理的に離れていることによるタイムラグが生じ、支払日が近い場合などは非常に大変でした。
——ツアーは毎月固定ではなく、案件ごとに費用なども異なるのでしょうか。
松村:リソー教育グループのなかで『プラスワン教育』は“勉強ではないところの教育”を担っています。
たとえば夏休みだと、子どもたちと一緒に山や川にキャンプに出掛けたり、北海道や沖縄、富士山へのツアー等を開催しています。さらに海外のプログラムもあり、それぞれ開催の日程も費用もすべてまちまちです。
原価も所要日数も異なる案件を楽に管理できる収支管理システムを求めていた
——そうなると収支管理が大変ですね。
新藤:しかも、Excelだと全体の収支が見えづらいのも問題でした。クライアントに出す請求書はそれぞれ部内の担当者ベースですし、業務フロー、承認フローが明確化されていないリスクもありました。
それらの問題の解消や業務の効率化、可視化、フロー整備のために収支管理システムを導入したいと考えたのですが、弊社のようにツアーを開催している業種、いわゆる旅行業に合うシステムというものがなかなか見つかりませんでした。
なんとか4、5社から資料請求や話を聞いて、現場側、管理側から見た実際の業務に当てはめながらシミュレーションしてみましたが、やはりどこかうまくはまらない箇所がありました。
しかし、最後の最後に「プロカン」を見つけてご相談させていただきながらシミュレーションしたところ、「このシステムなら思い描いていることを実現できる」と確信しました。
予算申請から月次決算締めまで一元管理できるうえ、収支の全体像を把握できるのが「プロカン」の魅力
——どういった理想を描いていたのですか?
新藤:予算の申請、クライアントへの見積書や注文書請求書の発行、管理部門への売上、原価のデータ提出、原価の支払依頼、収支報告までのすべてを1つのシステムで完結させることが理想でした。
売上の請求書も、原価の請求書の管理もシステムで一元化させたいと常々考えていたのです。
「プロカン」なら収支報告の進捗も一目瞭然。タイムリーに確認することができるので、現場側も管理部門も全体像をきちんと把握できることも魅力でした。
——「プロカン」の導入はスムーズでしたか?
新藤:以前はすべて紙だったので、管理側も現場側も慣れるまでにはある程度時間を要しましたが、わからないことがあればすぐにサポートセンターに問い合わせて解決することができたので、比較的スムーズでした。
松村:予算申請は現場の担当者がおこなうのですが、「プロカン」を使う社員の年齢層が広く、PCのスキルに差があり、なかにはなかなかうまく使いこなせない社員もいました。
しかし、今では新藤さんがかなり使い方をマスターしているので、直接教えてもらうこともできます。
予算実績対比表などの月次報告資料を作る手間も削減できた
——「プロカン」を導入してよかったことを教えてください。
新藤:支払い回付、承認まで一気通貫のシステムで、誰のところで承認が止まっているかが見えるようになり、承認を促せるようになりました。
また、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応や、予算実績対比表などの月次報告資料を別途Excelで作る必要がなくなったことも大きなメリットです。必要な資料はすべて「プロカン」から出力して加工すればOKなので、業務工数の削減が実現しました。
松村:一気通貫は現場にとってもメリットが大きいです。以前はツアーを企画・申請し承認を得てリリース、ツアー実施後にExcelにて案件ごとの収支結果を作成・報告していましたが、「プロカン」導入後は、予算申請~JOB完了報告まで一か所に集約されており、またその間の請求書発行や支払い対応もでき、業務フローがシンプルになったと同時に、管理側とのタイムリーな情報共有が可能になりました。
新藤:確かに、以前はツアーが実行されて月次報告が管理側にあがってくるまで、どんなツアーが申請されているのか知り得ませんでしたが、今は予算承認された時点でどんなツアーが実施されるのかがわかるので、経理業務を前倒しで進められるようになり、決算業務が月初に集中しなくなりました。
「プロカン」導入で案件の進捗が見える化されたことで、社員一人ひとりの意識も変わった
——個々の案件が原価や売り上げが見えるようになったことで、現場側の皆さんの意識は変わりましたか?
松村:変わりました。なぜかというと、「プロカン」導入後は、案件ごとの予算申請がJOBのスタート、完了報告がJOBのフィニッシュというわかりやすさから、季節ごとの商品リリースが〇月〇日なら、いつまでにツアーを企画・造成し、いつまでに予算承認を得て等々、より逆算のスケジュールを立てやすくなったと思います。また承認フローが明確で、必要な手順を踏まないとJOBが進まないことから、よりエラーが起きにくい環境になりました。
——他の社員の案件が可視化されることも、意識の変化に影響していますか?
松村:そうですね。たとえばある方面の宿泊先や体験施設を探す場合、以前は行ったことがある担当者に聞いたり、web検索したりしていましたが、仕入先が共有かつ可視化されたことで、ツアー造成にも一役買っているのではないでしょうか。また比較することで仕入原価への意識も高まったと思います。