「売上は伸びているのに、なぜか利益が残らない」
「案件ごとの採算が分からず、気づいたら赤字になっている」
「工数管理はしているが、利益改善につながっていない」
このような課題を抱えているIT企業や制作会社は少なくありません。特に、Web制作・システム開発・広告運用・クリエイティブ制作などの“プロジェクト型ビジネス”では、「売上原価」の考え方が非常に重要になります。
なぜなら、これらの業種では「モノ」ではなく“人の時間”が利益を左右するからです。例えば、同じ100万円の案件でも、
- 50時間で完了した案件
- 150時間かかった案件
では、利益率は大きく変わります。しかし実際には、案件ごとの工数や人件費を正しく把握できておらず、「売上はあるのに利益が見えない」という状態に陥っている企業も多く存在します。
そこで本記事では、「売上原価とは何か?」という基本から、IT・制作会社で利益管理が難しくなる理由、案件別原価管理の重要性、そして利益改善につながる管理方法までを詳しく解説します。
売上原価とは?
売上原価とは、商品やサービスを提供するために直接かかった費用のことです。
企業の利益は、単純に「売上が高いかどうか」だけでは決まりません。重要なのは、その売上を得るために“どれだけコストがかかっているか”です。
損益計算書(P/L)では、以下のような構造になります。
- 売上高
- 売上原価
- 売上総利益(粗利)
つまり、売上から売上原価を差し引いたものが「粗利」です。
例えば、100万円の案件を受注したとしても、その案件を進めるために80万円のコストがかかっていれば、利益は20万円しか残りません。逆に、同じ100万円の案件でも、原価を50万円に抑えられれば、利益は50万円になります。このように、売上原価は企業の利益を左右する非常に重要な指標なのです。
IT・制作会社における売上原価の特徴
製造業であれば、原材料費や仕入原価が売上原価になります。一方、IT企業や制作会社では、原価の大部分を占めるのが「人件費」です。つまり、エンジニアやデザイナー、ディレクターがどれだけ時間を使ったかが、そのまま原価に直結します。
ここが、IT・制作業界の原価管理を難しくしているポイントでもあります。
例えばシステム開発会社では、エンジニアの稼働時間が増えれば増えるほど、案件原価も上がります。Web制作会社でも同様です。デザイン修正が何度も発生したり、クライアント対応が長引いたりすると、その分だけディレクターやデザイナーの工数が増加し、利益が圧迫されます。
しかし、多くの企業では「何にどれだけ時間がかかったか」を正確に把握できていません。
その結果、「忙しいのに利益が出ない」という状況が起こるのです。
売上原価と販管費の違い
売上原価と混同されやすいのが、「販管費(販売費及び一般管理費)」です。この2つはどちらも会社の支出ですが、役割が異なります。
売上原価は、案件やサービス提供に“直接”かかった費用です。一方、販管費は会社運営全体に必要な間接コストを指します。例えばIT企業の場合、開発エンジニアの人件費は売上原価になります。しかし、経理や人事の給与は販管費です。
また、案件で使用するクラウドサーバー費用は売上原価になりますが、採用広告費は販管費に分類されます。この区別が曖昧だと、案件ごとの利益率が正しく見えなくなります。特にIT・制作会社では、人件費の分類が曖昧になりやすいため注意が必要です。

なぜ売上原価管理が重要なのか?
売上だけでは利益は分からない
IT・制作会社では、「売上が増えている=利益が増えている」とは限りません。
むしろ、案件数が増えるほど利益率が悪化するケースもあります。例えば、低単価案件を大量に受注している場合、現場は忙しくなります。しかし、工数に対して単価が見合っていなければ、利益は残りません。特に受託開発や制作業では、「工数超過」が利益悪化の大きな原因になります。
最初の見積では100時間想定だった案件が、実際には180時間かかっていた場合、追加請求できなければ、その超過分はそのまま利益圧迫につながります。そのため、案件ごとの原価をリアルタイムで把握することが重要なのです。
見積精度が向上する
売上原価を正しく把握できるようになると、見積精度も向上します。
過去案件の工数データを分析することで、
- どの工程に時間がかかるのか
- どの案件が赤字化しやすいのか
- どの業務が利益率を下げているのか
が見えてくるためです。例えば、Web制作会社で「ディレクション工数」が毎回想定を超えている場合、次回以降の見積に反映できます。こうした改善を積み重ねることで、利益率を安定させることが可能になります。
IT・制作会社でよくある売上原価管理の課題
工数管理が曖昧になっている
最も多い課題が、「工数を正確に記録できていない」ことです。
例えば、「あとでまとめて入力しよう」「だいたいこれくらいだろう」という運用になってしまうと、実際の原価が不正確になります。また、細かな修正対応やチャット対応など、“見えにくい工数”が積み上がっているケースも少なくありません。
特に制作会社では、ディレクターやPMのコミュニケーション工数が見落とされやすい傾向があります。しかし、こうした時間も立派な原価です。積み重なると利益に大きな影響を与えます。
Excel管理が限界を迎えている
多くの企業では、工数や原価をExcelで管理しています。しかし案件数やメンバー数が増えると、Excel運用は急激に複雑化します。
例えば、
- ファイルが乱立する
- 最新版が分からない
- 集計に時間がかかる
- 人件費計算が属人化する
といった問題が発生します。さらに、リアルタイムで利益状況を把握しづらいため、「案件終了後に赤字に気づく」というケースも珍しくありません。
売上原価率とは?
売上原価率とは、売上に対して原価がどれだけ占めているかを示す指標です。
売上原価率(%)=売上高売上原価×100
例えば、売上1,000万円に対して売上原価が700万円の場合、売上原価率は70%です。つまり、粗利率は30%になります。
IT・制作会社では、人件費比率が高いため、売上原価率が高くなりやすい傾向があります。そのため、「どの案件が利益を圧迫しているのか」を把握することが非常に重要です。

売上原価を適切に管理するには?
IT・制作会社で利益改善を行うには、単に売上を追うのではなく、「案件別収支」を可視化する必要があります。特に重要なのが、以下の3つです。
まず、工数を正確に記録すること。
次に、案件ごとの人件費や外注費を集計すること。
そして、進行中の案件利益をリアルタイムで確認できることです。
これができるようになると、
- 赤字案件の早期発見
- 見積改善
- 利益率改善
- リソース最適化
につながります。
売上原価管理には「プロカン」がおすすめ
IT・制作会社の原価管理を効率化したい場合におすすめなのが、プロカンです。プロカンは、プロジェクト型ビジネス向けの案件収支管理システムで、
- 工数管理
- 原価管理
- 売上管理
- 外注管理
- 予実管理
を一元化できます。特にIT・Web制作・広告業界など、「人の工数」が利益に直結する業種との相性が高いサービスです。
プロカンがIT・制作会社に向いている理由
プロカンの大きな特徴は、「工数」と「利益」がつながる点にあります。多くの企業では工数管理はしていても、「結局、その案件が儲かっているのか分からない」という状態になりがちです。
しかしプロカンでは、入力された工数をもとに案件別原価を可視化できます。
つまり、
- どの案件が利益を出しているか
- どこで工数超過しているか
- 誰の稼働が高いか
をリアルタイムで確認できるのです。また、Excelによる煩雑な集計作業を削減できる点も大きなメリットです。案件数が増えるほど、管理効率の差は大きくなります。
まとめ
売上原価とは、商品やサービスを提供するために直接かかった費用のことです。IT・制作会社では特に、「人件費」と「工数」が利益を左右します。
しかし実際には、
- 工数が正確に記録されていない
- 案件別収支が見えていない
- Excel管理が限界を迎えている
という企業も少なくありません。だからこそ、「どの案件に、どれだけ原価がかかっているのか」を可視化することが重要です。そのためには、工数・原価・利益を一元管理できる仕組みが必要になります。
プロカンなら、IT・制作会社に必要な案件別収支管理を効率化し、利益改善につなげることが可能です。
「利益が見えない」
「案件管理を改善したい」
「Excel管理に限界を感じている」
という企業は、一度プロカンをチェックしてみてはいかがでしょうか。
