2024/5/21 2024/7/10
顧客管理システム(CRM)の導入メリットと選び方|おすすめ5選紹介
企業におけるマーケティング戦略において、顧客管理や嗜好・購買行動についての分析は欠かせません。従来は顧客管理やデータ分析においてはExcelやスプレッドシートが利用されることが多い傾向がありました。ですが顧客一人ひとりのパーソナルデータまで管理しようとすると、処理に時間がかかり、データ同士の連結も複雑です。
本記事ではこれらの悩みを解決できる顧客管理システム・CRMについて解説します。
目次
顧客管理システムとは?
顧客管理システムは、「Customer Relationship Management」とも呼ばれ、「CRM」の略称が使われることも多いです。顧客管理システムは見込み客が既存顧客となった後に、関係性の維持や売上拡大に役立てられるとされています。
従来の顧客情報はExcelや紙で記録するのが一般的でしたが、マーケティングの拡大や国際化などに伴い、従来の手法では限界が指摘されるようになりました。そこで、顧客管理の効率化や利便性の向上を目指して、多くの企業で顧客管理システムを導入する事例が増えています。
現代の企業にとって、顧客のニーズを正確に捉え、良好な関係を構築して顧客満足度を向上させていくことは、必須命題であるといえるでしょう。そのために役立つツールのひとつとして顧客管理システムは注目されています。
顧客情報を一元管理して分析するシステム
顧客データの分析は、顧客のニーズに応じて顧客離れの防止に役立てられます。顧客のニーズも多様化・複雑化している現代において、顧客のパーソナライズされたニーズにマッチした商品の提供は、企業の競争力を高めることにもつながります。
従来は顧客情報をExcelやスプレッドシートで管理している企業も多かったのも事実です。ですが、そもそもこれらのソフトは情報管理のためのツールではないため、顧客数の増加や管理項目の複雑化に対応しきれないケースが指摘されていました。
また、データ分析をするためには複雑な関数を組まなくてはならず、そのための人的負担も大きかったと言えます。顧客管理システムの導入は、これらの課題の解決にもつながるとして導入が進んでいます。
顧客管理システムの機能
顧客管理システムの主な機能としては、次のようなものが挙げられます。
- 顧客情報の管理
- 名刺のリスト化
- メルマガやリリースの配信
- データの分析
顧客情報の管理
顧客情報とは、顧客の氏名や住所、電話番号といった基本的なものから、趣味嗜好や商品購入履歴、問い合わせ履歴のようなテキストデータまで幅広い情報まで含まれます。
従来の顧客管理ではExcelがよく利用されていました。しかしExcelを利用した顧客管理の方法では、ファイルの持ち出しによる情報漏洩リスクや、誤ってファイル削除がされてしまうなどの問題をはらんでいました。
一方で顧客管理システムを使うと、情報が一元化されて高度な顧客管理を行えるようになります。部署を超えて情報管理が行えるということはリアルタイムで編集・閲覧することも可能であり、業務全体のスピード化や顧客満足度の向上、売上アップにもつながります。
名刺のリスト化
従来は紙の名刺が一般的であり、それらを一律保存していた人も多いのではないでしょうか。近年では情報管理のしやすさやペーパーレスの流れを受けて、クラウド型の名刺管理ツールがよく利用されています。名刺管理ツールでは、従来の紙製の名刺をスキャンしてテキストデータ化して保存するケースが多く、任意の単語での検索も可能です。
各種顧客管理システムでもこの名刺管理機能を搭載している製品が数多くサービスを展開しています。顧客管理システムでは名刺管理ツールの基本的な機能に加えて顧客ごとの営業活動や、より詳細なパーソナルデータなども記録されるので、顧客の分析に役立てられます。
メールマガジンやリリースの配信
企業では顧客に対してダイレクトメッセージを送付する例も多いです。その延長上にあるのがメルマガ配信ですが、顧客管理システムを利用すると、配信するメルマガの内容を顧客によって変えることも可能です。
これは、顧客管理システムの多くには顧客情報の分析機能が搭載されているためです。セグメントを活用して一人ひとりの顧客に応じた最適な訴求内容を抽出できるため、従来の画一的なメルマガ配信よりもメール開封率の向上や顧客の次のリアクションにもつながりやすいと考えられています。
データの分析
顧客管理システム利用において最大のメリットとも言えるのが、クラウド上に蓄積されたさまざまなデータの分析が行える点です。蓄積されたデータには、顧客のセグメント、クラスター、行動トレンドなども含まれており、顧客のライフイベントやシーズンイベントに合わせた営業戦略にを練る際にもさまざまなデータを活用できます。
従来の勘や経験に頼っていた目標設定においても、データ分析に基づいた具体案・数値を掲げられるので、企業の実績にも結びつけやすいでしょう。
SFAツールとの違い
CRMと良く似たIT機関システムに、営業支援システム(SFA、Sales Force Automation)があります。CRMとSFAでは、顧客へのアプローチのプロセスにおいて、どの段階で利用するかが異なります。
企業が顧客にアプローチする際には、以下のようなプロセスに従って関係を構築するのが一般的です。
- リード獲得及び育成、商談化
- 獲得したリードへの営業活動・顧客化
- 顧客へのアフターケア
1の段階でリードナーチャリングを受け持つシステムがMA(Marketing Automation)、2の段階で営業活動を組織化するのがSFAです。そして無事契約・購入に至った後に、顧客に対して次のアプローチを行うための支援システムがCRMです。それぞれツールを使うプロセスが異なるため、その利用目的も従来は違うものとされてきました。もっとも、近年はこれらを連携させて利用するケースが増えており、すべてが包括されたツールの展開も進んでいます。
SFAツールとは?
ひとまずSFAツールについて詳しく解説します。SFAは「Sales Force Automation」の略語で、日本語では「営業支援システム」と呼ばれることも多いシステムです。SFAに搭載されている機能としては、次のようなものがあります。
- 顧客管理
- 案件管理
- 行動管理
- 予実管理
- 商談管理
SFAの目的は、営業活動の「見える化」「効率化」「標準化」を図ることにあります。その結果、個人のスキルに頼ることなく企業全体の営業活動や業務の効率化につなげられるのが、同システムの大きな特徴と言えるでしょう。属人化を防ぐことで会社全体で営業活動の質を高めることにも繋がります。
SFAとCRMは目的が異なるが相補的である
ここまで見てきたようにSFAとCRMはそれぞれ利用場面や開発目的が異なります。しかし、いずれのシステムも利用対象を営業シーンにしている点では共通していると言えるでしょう。
そのため、現在では多くのシステムでSFAとCRM両方の役割を担っているものが多い傾向にあります。システム上に蓄積された顧客情報の管理や分析を元にして商談状況やアポイントメント、売上見込みまでを管理できるような、営業プロセスを一元管理するシステムが主流となりつつあります。
SFAとCRMを連携させてより強力に運用
それぞれ別々のツールを利用している場合でもSFAとCRMを連携させて利用している会社は多いでしょう。SFAとCRMを連携させると、次のようなメリットが得られます。
生産性の向上
相互のシステムを連携させていると、マーケティング部門や営業部門など各部門の枠を超えて、相互の顧客情報にアクセスできるようになります。ただ別々のツールとして運用するのではなく、連携させることで相互の優先順位やアプローチ方法に工夫が生まれ、より生産性の向上につながるでしょう。
企業データマネジメントの最適化
それぞれの顧客情報を一元化することで、企業にストックされたデータの精度が上がります。データ精度の向上は、企業のDX促進にもつながるでしょう。
効果測定や検証の精度の向上
各部門で得られた結果を定量化して他部門にフィードバックすることで、ホットリードと判断する基準のスコアリングの精度の検証に利用できます。またCRMの分析結果は、マーケティング部門のペルソナ設定などにも応用できます。
各部門メンバーのスキル向上
情報の共有は、人的な連携促進にもつながります。相互の部門の状況が可視化されることで、部門の垣根を超えたコミュニケーションの機会も増え、結果的に売上拡大も見込めるでしょう。
顧客管理システムを導入するメリット
顧客管理システムを導入する際のメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 情報の属人化を防ぐ
- 情報共有をリアルタイムに行える
- 顧客管理業務の効率化
- 部署間での連携がしやすくなる
- セグメンテーションによる分析が容易になる
- 顧客理解を含めることで顧客満足度の向上につながる
情報の属人化を防ぐ
「属人化」とは、特定の社員が業務を専任で担当することにより、他の社員がその業務や進め方がわからなくなることを指します。この状態になると、担当者が不在のときに他の社員で対応することが困難になり、業績に支障をきたすリスクが生じます。情報が属人化されていると、営業の結果は個々のスキルに頼らざるを得なくなるので、以下のような問題が発生します。
- 営業成績のばらつき
- トップセールスへの過度な依存
- 顧客データの利活用が不十分
- 売上機会の機会損失
- 引き継ぎ業務の負担増加
- 新人育成システムの不備
顧客管理システムの導入によって業務を標準化すれば、業務一連の流れが一つのシステム上の操作で完結します。システムの手順に沿って業務を進めるので、関わる担当者のスキルや経験に頼ることなく、属人化を解消することにつながります。
情報共有をリアルタイムに行える
企業において業務を円滑に進めるためには、情報共有が必要不可欠です。顧客情報や業務情報の共有はもちろんのこと、顧客とのコミュニケーションや顧客と自社をつなぐための情報共有も求められることがあります。
情報が共有されるとチームや部署内でもスムーズに連携でき、ポジティブな情報以外にもミスやトラブルといったネガティブな情報も共有されることによって、共通の課題に協力して取り組めるようになります。情報共有は業務の透明性の向上にもつながるので、相互サポートや組織全体の生産性の向上にも寄与するでしょう。このときの注意点として、共有情報はリアルタイムで共有されなければなりません。情報共有にタイムラグが生じると、その間に顧客や業務の状況が変化し、対応が遅れる可能性があります。
これらの問題を解消するには、情報の一元管理が可能なシステムの導入が必須です。情報を共有するに当たっては、関係者全員が最新の情報に常にアクセスできる仕組みを整えておくのが理想です。顧客管理システムはこのようにただ情報を管理するためだけでなく、うまく活用していくことが求められます。
顧客管理業務の効率化
顧客についての正しい情報を適切に活用すれば、売上の向上につながります。顧客のニーズや置かれている状況を的確に把握し、顧客の抱えている課題を解決できるような商品の提案は、顧客との良好な関係構築から生まれるものです。顧客との良好な関係は、次のリアクションを促し、さらに関係を深めていくことも考えられるでしょう。
顧客管理システムの基本である顧客リストには、顧客の名前や住所、連絡先といった基本情報はもちろんのこと、詳細な履歴情報をリンクさせて管理することも可能です。
たとえば、Aという商品についての購買日や金額についてのデータが蓄積されたとします。次に、Aを購入した顧客一人ひとりのセグメントをデータ化し、購入スタイルや頻度、嗜好などを分析します。その結果、顧客ごとにパーソナライズされた商品の提案につなげることもできるようになります。
このように集計したデータをうまく扱えば企業の成長にも寄与します。このようなシステムはエクセルやスプレッドシートではなかなか自動化できず、管理はできたとしても手間に感じるケースが多いです。顧客管理システムを選ぶ際には管理しているデータのあ使いやすさにも着目して選定するとよいでしょう。
部署間での連携がしやすくなる
顧客管理システムに蓄積されるデータには、次のようなものがあります。
- 顧客データ
- 購買データ
- インターネットデータ
- テキストデータ
これらのデータを連携させると、情報がデッドストックとなることを防ぎ、有効活用できます。またリアルタイムで情報を共有できれば、部署同士で連携したキャンペーン展開の際にも、情報を共有し共同戦略を展開できるようになります。さらに企業全体の情報が可視化されるため、部門ごとの状況が把握でき、全社的な業務最適化にもつながります。
一方、システム間のデータ連携が取れない場合、それぞれのデータ入力を行うところから作業を始めなければなりません。また、保存データ形式が異なる場合は、インポートできるような工夫も求められ、担当者の作業負荷が増大します。
顧客管理システムを導入するとこれらのデメリットが解消されて時間や手間の削減につながり、業務効率の改善に役立ちます。
セグメンテーションによる分析が容易になる
顧客管理システムに蓄積される顧客情報には「購入履歴」と「接触履歴」があり、これらのデータに基づいて顧客を次のようなセグメントに分類します。
- 未認知顧客
- 認知顧客
- 未購入顧客
- 新規顧客
- 既存顧客
- 積極的なロイヤル顧客
- 消極的なロイヤル顧客
- 休眠顧客
- 退会顧客
これらの顧客についてはその動きが異なるため、どのような動きをしたかの分析を次のマーケティング活動につなげていくことが大切です。
また、顧客のリピート率を上げるためには、「顧客がなぜ購入を辞めたのか」などのネガティブ要素の排除も欠かせません。顧客管理システムのデータが一元化されていれば、それぞれのセグメントごとの課題を洗い出せます。さらに、KPIを定めて施策に落とし込むことで、顧客に対し適切なプロモーションを展開し、PDCAを回すことが可能になります。
顧客理解を含めることで顧客満足度の向上につながる
顧客管理システムを導入すると、顧客の問い合わせや要望も反映させやすくなります。仮に担当者が不在だったり変更があったとしても、あらかじめ顧客情報が共有されているため、状況を踏まえた対応をしてもらいやすくなります。
また、顧客管理システムを利用してパーソナライズされた要望に応じられることは、顧客との良好な関係を維持し、次の購買行動へにもつながります。それらの好循環を生み出すことによって、顧客満足度の向上につながり、顧客が「お得意様」「ファン」になっていく可能性を秘めていると言えるでしょう。
顧客管理システムを導入するデメリット
もっとも、顧客管理システムを導入するに当たっては、ある程度のデメリットも予測されます。考えられるデメリットには、次のようなものがあります。
- 導入にはコストがかかる
- 運用メンバーへの研修が必要
導入にはコストがかかる
顧客管理システムの導入や運用の際には、コスト負担の増加が懸念されます。一般的には、扱うデータ容量が大きく容量が大きいほうが望ましいように感じられますが、多くの場合、データ容量に比例してコストも高くなる傾向にあります。
また、導入後すぐにその効果が社内実績に反映されるわけではない点も注意が必要です。顧客管理システムは継続的に運用し、PDCAを回して初めて効果が生じるものなので、根気強く運用していかなければなりません。
さらに、顧客管理システムでは多くの個人情報を扱うため、十分なセキュリティ対策の実施も求められます。不正な通信を遮断するシステムを構築する、2段階認証を必須にするなど、顧客管理システム以外にセキュリティ面のコストが増える可能性もあります。
しかし長期的視点から見ると、仮にこれらのコストを支払ったとしても、顧客の増加に結び付けられる利益が大きければ、総合的には企業の利益に貢献すると考えられるでしょう。一時的なコスト増加に囚われず、長期的視点から導入の可否を検討するのがおすすめです。
運用メンバーへの研修が必要
顧客管理システムの一つに、自社にサーバを構築するオンプレミス型があります。このタイプの顧客管理システムを導入した場合は、サーバを構築した後も、その管理をできる人材の確保・育成をしなければなりません。
また、導入してもすぐに現場に定着しない可能性もあります。全社員に対してシステムを定着させるためには、導入の段階から現場へヒアリングを行い、従来の業務フローと照らし合わせながら、現場の状況に即したツール選定をするのが望ましいでしょう。同時に、顧客管理システムの効果を発揮するには、ツール導入と並行して従業員に対する説明会や研修の実施が必要な場合があることを覚えておきましょう。
たとえ導入の段階では多少の手間が掛かったとしても、多くの従業員がシステムを利用できるようになれば、従業員にとってもメリットがあると感じられるようになると考えられるため、実際に使うメンバーの使いやすさの観点でも検討が必要でしょう。
顧客管理システムの選び方と導入時のポイント
顧客管理システムを導入する前には、いくつか押さえておきたいポイントがあります。ツール選定の際には、次のような点を押さえましょう。
- そのツールは自社に合っているか
- 提供会社のサポートは充実しているか
- ツールのUIは使いやすいものか
- 他のツールと連携ができるか
- 費用対効果は見合っているか
- セキュリティは強固か
そのツールは自社に合っているか
必要な顧客管理機能は、業種や業態によって異なります。まずは現場のヒアリングを行い、導入目的や目標を明確にするのが肝要です。仮に多機能な製品を導入したとしても、自社の規模と導入ツールの想定している企業規模がミスマッチの場合、機能を全て使いこなせずただただコストが嵩むケースも有り得ます。
多くのベンダーでは、無料トライアル制度も用意されています。運用現場の担当者にトライアル制度を利用して使い勝手を試してもらい、それらの感想や意見を本格運用に反映させていくのもおすすめです。
提供会社のサポートは充実しているか
システムやツールの導入時には実際に運用する営業マンなどがツールの使い方がわからない場合を想定して、サポート体制もチェックしておきましょう。
実際のサポート例としては、電話やチャット、メールなどによるサポート体制が用意されているのが一般的です。このときに、サポートスタッフとのやりとりの間にタイムラグが生じると、問題対応が遅れる可能性が考えられます。ITツールに不慣れな社員が利用することを想定して、対応のスピード感や丁寧さ、セミナーの開催など手厚いサポート体制が整っている顧客管理システムを選ぶのが良いでしょう。
ツールのUIは使いやすいものか
新しいシステムを導入して企業内に定着させるには、UIの使いやすさも重視したいものです。具体的には、直感的に操作しやすい、シンプルで見やすいなどのUI要素を備えた顧客管理システムが望ましいと言えるでしょう。
また、システム導入権は会社のトップや情報システム部の人間にあっても、実際に運用するのは営業の現場スタッフが中心です。営業部門スタッフがITやPCについてのリテラシーが不十分であるのは珍しくありません。顧客管理システムを企業全体で活用し効率的に運用するためには、誰でも簡単に利用できるようなツール選定を念頭に置くと良いでしょう。
他のツールと連携ができるか
顧客管理システムと他のマーケティングツールを連携させると、より効果的な営業活動の展開が望めます。よく使われるのは、以下のようなツールです。
- SFA(Sales Force Automation):営業活動の可視化及び組織内共有
- MA(Marketing Automation):消費者の興味関心を惹きつけ、リード獲得につなげる
- CIT(Computer Telephony Integration):電話番号から多様な情報を紐づけられる
- CMS(Contents Management System):Webマーケティングの強化につなげる
CMSなどは、オウンドメディアを運用している企業では既に馴染みのあるツールかもしれません。これらのデータ連携を成功させるためには、まずは連携の目的を明確化しなければなりません。その目的の用途に適したツール選定や運用ルールの決定を行い、費用対効果なども考慮しながら、連携ツール選定を行うのが望ましいと言えます。
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費用対効果は見合っているか
高額の費用を投じて顧客管理システムを導入するからには、その結果を具体的な数値に落とし込んで成果を可視化すると、利用してもらう現場の営業マンなどに、納得してもらいやすくなるでしょう。
現場の営業マンが意識する数値の一つに、「費用対効果(ROI)」が挙げられます。ROIは、次の計算式で表されます。
一般的には、この数値が大きいほど、費用対効果が高いとされています。さらに、ROIの数値が思わしくない場合は、次のような施策を取るのが効果的です。
- CRM導入のメリットや目的を周知する
- 管理者自らCRMを積極的に活用する
- 目標をスモールステップから始める
- 他ツールと連携させて効果をアップさせる
セキュリティは強固か
クラウド型の顧客管理システムを導入する場合は、セキュリティ対策にも注意を払いたいものです。これは、万が一顧客情報の流出があった場合に、企業に対する信用が失われて顧客離れを招きかねないためです。クラウド型CRMで取り入れているセキュリティ対策は、次のようなものがあります。
- 二段階認証
- データのバックアップ
- データの暗号化
- IPアドレス制限
- ログ解析
また、データセンターを複数設置し、地政学的リスクなどを回避しているベンダーもあります。セキュリティ体制はベンダーによって異なります。顧客管理システム導入の際には、どのようなセキュリティ対策を行っているのか、国や行政といった信頼できる団体が採用しているのかなどを必ず確認しましょう。
おすすめ顧客管理システム紹介
多くの企業で利用されている顧客管理システムには、やはり使いやすいと言われるだけの理由があるものです。ここでは、数々の企業で使われている代表的な顧客管理システムをいくつか紹介します。
Knowledge Suite
一般的なCRMサービスでは利用ユーザーに応じた従量課金制を採用しており、利用者が多いとコストが膨らむ懸念があります。しかしKnowledge Suiteはユーザー数に制限がないため、大企業でも社内展開しやすいと評価されています。また、導入前の導入支援サービスでのサポートが手厚い点も、魅力的です。
- 提供形態:クラウド型
- 費用:55,000円~(月額税込、ストレージ容量:5GBの場合)
- 提供会社:ブルーテック株式会社
- ホームページ:https://www.bluetec.co.jp/knowledgesuite/(外部サイトへ遷移します)
Zoho CRM
Zoho CRMはインドのチェンナイに本社を置くIT企業が展開する、グローバルビジネスにも対応したタイプのCRMです。利用価格が安いことに加えて、多言語展開しているのが特徴と言えるでしょう。また、自社の運用形態に合わせてカスタマイズすることも可能です。
- 提供形態:クラウド型
- 費用:1,680円~(年間契約、1ユーザーあたりの月額)
- 提供会社:Zoho Corporation
- ホームページ:https://www.zoho.com/jp/(外部サイトへ遷移します)
GENIEE SFA/CRM
GENIEE SFA/CRMはGmailやSlackなど外部のコミュニケーションツールを始め、外部の業務ツールとの連携が充実している点が魅力的です。本来はSFAツールとして始まったシステムなのですが、サポート内容がカスタマイズできるので、多様な場面で利用しやすく、CRMのメニューも充実しています。
- 提供形態:クラウド型
- 費用:34,800円~(10ユーザー分の月額基本料金)
- 提供会社:株式会社ジーニー
- ホームページ:https://chikyu.net/(外部サイトへ遷移します)
kintone
キントーンはノーコードでビジネスアプリが作成できる点が、特徴のサービスです。初期費用がかからず、ITの専門知識がなくともカスタマイズできる点は、ITツールに不慣れな方でも使いやすいのではないでしょうか。時間面での効率化はもちろんのこと、管理のしやすさも多くの企業で導入される理由となっています。
- 提供形態:クラウド型
- 費用:1,500円~(1ユーザ当たりの月額、5ユーザーから契約可能)
- 提供会社:サイボウズ株式会社
- ホームページ:https://kintone.cybozu.co.jp/(外部サイトへ遷移します)
Salesforce Customer 360
Salesforce Customer 360はソリューションがバリエーション豊かであり、Slackなどのコミュニケーションツールは、プライベートでも馴染みのある人も多いのではないでしょうか。世界的シェアが高く、SFAとCRMの機能を兼ね備えており、セールスフォース社の他製品との連携がしやすい点が魅力の一つです。
- 提供形態:クラウド型
- 費用:3,000円/月~
- 提供会社:株式会社セールスフォース・ドットコム
- ホームページ:https://www.salesforce.com/jp/(外部サイトへ遷移します)
自社に合った顧客管理システムを導入して利益拡大を図りましょう
顧客管理システムの導入は、営業現場の業務効率改善にとどまるだけではなく、顧客満足度の向上、さらには企業利益の拡大にもつながる可能性を秘めています。反面、システムの利用目的を全利用者がしっかり理解して共有しなければ、システムの機能を十分に活用できずにコストが嵩んでしまうことも考えられます。
顧客管理システムを導入する際には、ツール選定の段階で現在の自社に不足している要素や現場の意見を洗い出し、自社に適した顧客管理を十分活用して、企業利益の向上につなげてください。