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工数計算とは?求め方・計算方法と、システム開発における工数管理の重要性


システム受託開発の現場において、「工数管理」はプロジェクトの成功を左右する極めて重要な業務です。特に人月単価で予算と納期が決まるビジネスモデルでは、正確な工数計算とそれに基づいた予実管理が不可欠です。この記事では、「工数計算とは何か?」「その求め方・計算方法」「なぜ工数管理が重要なのか」について解説し、さらにシステムがどのようにその課題を解決するのかをご紹介します。


1. 工数計算とは?意味と基本の考え方

「工数(こうすう)」とは、ある業務やタスクにかかる作業量を数値化したもので、通常「人日」や「人月」で表現されます。

例えば、

  • 1人が5日かけて開発する →「5人日」
  • 3人が1ヶ月(20営業日)かけて作業 →「3人×20日=60人日=3人月」

といった形です。

工数の使われ方

  • 見積書の作成
  • プロジェクトの進捗管理
  • コスト管理・収支予測
  • 社内リソース配分 など

このように、工数はすべてのプロジェクト管理の基盤とも言える指標です。


2. 工数の求め方と計算方法

工数の計算は、主に以下の3ステップで行われます。

ステップ①:タスクの洗い出し

WBS(Work Breakdown Structure)などを使ってプロジェクト全体を細かいタスクに分解します。

例:

  • 要件定義:5人日
  • 設計:8人日
  • 開発:30人日
  • テスト:10人日
  • 納品・レビュー:3人日

ステップ②:各タスクの所要時間を見積もる

過去実績や属人化された経験に頼るケースが多く、ここに誤差が生じると工数計算の精度が下がります。

ステップ③:バッファ(余裕期間)の設定

実際の開発ではトラブルや仕様変更が発生するため、一定のバッファ(例:工数の10〜20%)を加味して計算します。


3. 工数管理が重要な理由(システム開発会社編)

① 見積もり精度が信頼を左右する

見積もりの工数が甘いと納期遅延や赤字リスクに直結します。逆に過剰な見積もりは価格競争で不利に。

② 原価と利益を可視化できる

開発リソース=人件費。つまり、工数管理は原価管理そのものです。どの案件がどれだけ利益を出したのか把握するには、正確な工数管理が不可欠です。

③ 属人化リスクを排除できる

ベテランエンジニアの経験頼みになっている工数見積もりやタスク配分は、引き継ぎ不能・ブラックボックス化のリスクを孕みます。

④ 類似案件のナレッジ資産化

過去案件の工数実績がデータとして残れば、次回以降の見積もり精度が格段に上がります。


4. 工数管理のよくある課題

多くのシステム開発会社では、以下のような工数管理の課題を抱えています:

  • Excelで工数を管理しており、バージョン管理や集計が煩雑
  • 各プロジェクトの実績が散在しており、全社的に分析できない
  • 担当者ごとの作業内容や負荷が見えず、リソース調整が属人的
  • 工数実績と会計データが紐づかず、正確な原価管理ができない

こうした課題を放置すると、赤字案件の見落としや、リソース過多による疲弊に繋がります。


5. プロカンが解決する「工数管理」の課題とは?

プロジェクト型ERP『プロカン』は、システム受託開発における工数管理に特化した機能を備えています。

特徴①:プロジェクト別にタスクと工数を一元管理

誰がどのタスクに何時間かけたかをリアルタイムで記録・集計できます。

特徴②:見積もり工数と実績工数の差異を即座に可視化

「予定 vs 実績」の乖離を即時に把握し、見積もり精度を継続的に改善できます。

特徴③:リソース管理・負荷分散にも対応

メンバーごとの稼働状況を一覧化でき、過重労働やリソースの偏りを未然に防げます。

特徴④:原価と会計と連動

工数×単価で原価が自動算出され、会計ソフトと連携することで案件単位の損益計算がスムーズに。


6. 工数管理を武器に、競争力あるシステム会社へ

正確な工数管理は、単なる効率化ではなく、会社の利益体質を強くする経営戦略の一部です。

  • 提案書・見積の信頼性向上
  • 赤字案件の早期発見
  • ナレッジの蓄積による再利用性アップ
  • メンバーの労務健全化とモチベーション維持

これらを実現するためには、Excelベースの属人的な管理から脱却し、工数・原価・収支を一元化できる仕組みの導入が鍵になります。


まとめ:工数管理を見直すなら「プロカン」

工数計算の精度が上がれば、プロジェクトはもっと健全になります。

属人化・非効率な業務管理から脱却し、数字に基づく経営を行いたいと考えている方は、プロカンによるプロジェクト型ERP導入を検討してみてはいかがでしょうか。